多項式関数の微分

定義に従った微分の計算

 前のページで微分の定義を示しました。定義式を使えば、いろいろな関数の微分を求めることができます。 いくつか例を見てみましょう。
例1:
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例2:
fm2-2.png

実用的な微分計算

 ここまでくるとそろそろ気づく人もいるはずです。そう、このように定義式を用いて微分するのは とても面倒なのです。そのため微分計算を行うときは、普通は別の方法をとります。それは、 有名な関数の微分をあらかじめ覚えておくという方法です。ここでいう有名な関数とは、一次関数や二次関数、 もっと一般にn次関数、三角関数、指数関数、対数関数などのことを指します。このうち数2で扱うのはn次関数だけです。

 まずはn次関数の中でも一番簡単な関数であるxnの微分を求めてみます。 定義に従って計算すると以下のようになります。
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以上よりxnの微分はnxn-1だと分かりました。具体例を示すと、x3の 微分は3x2x5の微分は5x4という風になります。この関係式だけは非常に便利なので覚えてしまった方がいいでしょう。

多項式の微分〜線形性

 ここでちょっと難しい話をします。微分という演算は、数学的にとても重要なある性質を持っています。 それは線形性です。線形性とは、以下のような二つの性質を持つことを指します。

  • 任意の変数x、yに対してf(x+y) = f(x) + f(y) ・・・(1)
  • 任意の定数a、変数xに対してf(ax) = af(x) ・・・(2)

 これだけでは何を言っているのか分からないと思うので、少し例を見てみましょう。今、f(x)=-3x2+ 4x + 3 を微分したいとします。この場合、今までだとf(x)を定義式に当てはめることで計算をしていました。 しかし、私たちはすでにxnの微分はできるので、これを使わない手はありません。そこで微分の線形性を 利用します。そうすると、f(x)の微分は、線形性の式1から次のように書くことができます。
fm2-4.png
さらに、線形性の式2から次のようになります。
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よって最終的にf(x)の微分は
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となるのです。このように、微分の線形性に着目することで、多項式関数の微分を 簡単に求めることができます。