場合の数

 前章では順列に学んでいきました。ここでは組み合わせについて学ぶことにします。

  参考ページ 
  〜場合の数には学ぶ上で重要な【コツ】があります!〜
  一度基本から学んでみたい人は場合の数(順列・組み合わせ)のコツと基本

  〜順列の公式〜
   順列の基礎公式 nPr = n! / (n-r)! を学びたい人は場合の数:順列公式の基礎と証明と覚え方

  〜組み合わせの公式〜
   組み合わせの基礎公式 nCr = nPr / r! を学びたい人は場合の数:組み合わせ公式の基礎と証明と覚え方
  場合の数:数式の公式を学びたい人はnCr = nCn-r の組み合わせ公式の証明と覚え方
  場合の数:数式の公式を学びたい人はrnCr = nn-1Cr-1 の組み合わせ公式の証明と覚え方
  重複組み合わせの公式を学びたい人は重複組み合わせ公式の証明と覚え方





1〜5の数字が書かれたカードが1枚ずつ袋の中に入っている。袋の中から3枚のカードを取り出すとき、3枚のカードの組み合わせは何通りか?

  <場合の数の画像が表示されていません!>  

 前ページで取り組んだ問題とは若干異なります。今回は順列ではなく組み合わせになっている点に要注意です。前ページの順列の時のように樹形図を使う事は出来ません
樹形図で考えると右図のようになり 5・4・3 = 60 (通り) となりますが・・・これでは重複が生じています。漏れなく重複なく数えるというのは 最初に指摘した注意でしたね。


  <場合の数の画像が表示されていません!>  

 どこが重複しているのか、というと右図のようなケースです。
右図では(1-2-5)という1組が生じる場合について考えていますが、この組み合わせが生じる順列はこれだけで6通りも生じているのです。ようするに先程求めた 5・4・3 = 60 (通り) の順列のうち 6つは(1-2-5)という組み合わせであるということです。



さて、この調子で他にも重複が生じていないか調べてみましょう。 5・4・3 = 60 (通り) の順列全てについて重複を調べた結果が下図になります。

  <場合の数の画像が表示されていません!>  

 この図を見ると分かるように、全ての組が6つずつの順列を持っているということが分かりますね。
よって今回求める答えというのは 60 ÷ 6 = 10 (通り) だと分かります。
順列の場合だと60通りもあるのに、組み合わせだと10通りしかないということです。当たり前ですが、組み合わせの方が順列の場合よりずっと少なくなっていますね。


  <場合の数の画像が表示されていません!>    さて、今全てのパターンを結局書き出すことで組み合わせを求めてしまいましたが、もっと簡単に求める方法はないのでしょうか?いちいち上図のように全部のパターンを書き出すのは いささか面倒です。
ここで考えておきたいのが先程述べた全ての組が6つずつの順列を持っているという事実です。全部の組が6つずつ というのは中々不思議ですね。これは偶然ではありません。

 全ての組に含まれる3つの数字というのは今バラバラな数字です。同じ数字を含んでいたりはしません。ここで仮に3つの数字の組が右図のように(○・×・△)であったとすれば、 この3つの数字の並べ替えはいくつ作れるか、というと
   3P3 = 3! = 3・2・1 = 6(通り)
だと分かります。


 なので先程のように全てのパターンを書き出さなくても、 60 ÷ 3! = 10 (通り) が答えだと分かります。
さらに言えば60というのは順列で求めた値であったので、 5P3 ÷ 3! = 10 (通り) で求められるということですね。



 長々と組み合わせの計算方法について書いてきましたが、要するにどのように計算したのか、というと
   1:5P3
   2:3!で割る


これを別の表現で書けば
   1:順列で数え上げて
   2:重複分を考慮

ということです。組み合わせの計算はこの2段階ステップで求められます。1については前ページで触れた内容そのままです。あとは2を考えれば いいわけです。
以上の内容をまとめて組み合わせの求め方の公式を書くと次のようになります。

  場合の数:組み合わせ 
   異なるn個の中からr個を選ぶ組み合わせは全部で  nCr 通りである。
  ただし  nCr というのは
   場合の数:数式
  を指す。


コンビネーション: nCrなどという記号が出てきて面喰った人もいることでしょう。しかし、実は大した定義ではありません。
今まで勉強してきた nPrr!で割っただけです。
つまり nCr = nPr ÷ r! です。

 先程述べた
   1:順列で数え上げて
   2:重複分を考慮

というのは一般的に書けば
   1:nPr
   2:r!で割る

と言えますね?よってコンビネーション: nCrが組み合わせを表現する 記号として使われます。

コンビネーション: nCrの計算方法ですが、まず順列のパーミュテーションの場合ですと
nPr = [n から1ずつ降りて行ってr個掛け合わせる]
という形で計算していました。
今回の組み合わせの場合には
nCr = [n から1ずつ降りて行ってr個掛け合わせる] ÷ [r から1ずつ降りて行ってr個掛け合わせる]
と計算すれば簡単です。
組み合わせは順列の重複分を割るだけという認識をきちんと持っておけば簡単に理解出来るかと思います。
それではいくつか練習問題を一緒に取り組んでみましょう。



1〜5の数字が書かれたカードが1枚ずつ袋の中に入っている。袋の中から3枚のカードを取り出すとき、3枚のカードの組み合わせは何通りか?

 先程の問題ですね。今回はコンビネーションを使ってスマートに解きましょう。
異なるn個の中からr個を選ぶ組み合わせは全部で  nCr 通りでしたので、 今回の場合ですと異なる5枚のカードの中から3枚を選ぶので、  5C3 通りですね。あとは 計算すればよく
場合の数:数式
より10通りが答えです。コンビネーションを使いこなせれば、あっという間に組み合わせの問題が解けます。




  <場合の数の画像が表示されていません!>   右図のように平面上に5つの点がある。このうち2つの点を結んで1つの線分をつくるとき、線分の作り方は何通りあるか?

 これも組み合わせの問題ですね。コンビネーションを使ってスマートに解きましょう。
線分を作るには5つの点の中から2つの点を選べばよいわけです。これは順列ではなく組み合わせですね。よって  5C2 通りとなります。あとは 計算すればよく
場合の数:数式
より10通りが答えです。



10人の学生がいる。この中から今日の掃除当番8人を選ぶ時、選び方は何通りか?

 これも10人の中から8人を選ぶ組み合わせの問題です。
よって  10C8 通りとなります。あとは 計算すればよく
場合の数:数式
より45通りが答えです。



どうでしょうか。コンビネーションの使い方と計算には慣れましたでしょうか?以下は練習問題になります。

  場合の数:組み合わせ 
    10枚の異なるカードの中から3枚を選ぶとき、何通りの選び方があるか?

   10C3 = (10・9・8)÷(3・2・1) = 120(通り)



    6つのボールから2つのボールを選ぶ。何通りの選び方があるか?

   6C2 = (6・5)÷(2・1) = 15(通り)



    4つのボールから2つのボールを選ぶ。何通りの選び方があるか?

   4C2 = (4・3)÷(2・1) = 6(通り)



    1〜7の数字の書かれたカードがある。この中から3つのカードを取り出すとき何通りの取り出し方があるか?

   7C3 = (7・6・5)÷(3・2・1) = 35(通り)



    10人の中から9人のグループを作る。グループの作り方は何通りあるか?

   10C9 = (10・9・8・7・6・5・4・3・2)÷(9・8・7・6・5・4・3・2・1) = 10(通り)
   ※あるいは10人の中から1人の仲間外れを選ぶ、と考えれば10C1 = 10(通り)



    10人の中から10人のグループを作る。グループの作り方は何通りあるか?

   10C10 = (10・9・8・7・6・5・4・3・2・1)÷(10・9・8・7・6・5・4・3・2・1) = 1(通り)



    10人の中から0人のグループを作る。グループの作り方は何通りあるか?

   10C0 = 1(通り)
   ※一般にnC0 = 1 として計算します。


 パーミュテーションは順列、コンビネーションは組み合わせという違いをしっかりと意識しましょう。中高生の答案をみると両者の混ざった答案を良く見かけます。注意して下さい。